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花を贈ろう。なんでもない日にも。

花を贈る代表的なイベントは、母の日だと思う。カーネーションを手に持った小さな子ども、中高生、たくさんの人を街で見かけた。

そんな母の日は過ぎてしまったけれど、花はいつ贈ってもいい。以前、わたしは花屋でアルバイトをしていたので、花を買いに来るたくさんのお客さんと接する中でいつも思っていた。

もっと日常的に花を贈り合えればいいのにな、ということ。

外国ではもっと気軽に贈り合う文化があるそうなのだが、日本の人の気質もあるのか、どうも「花を贈るって、恥ずかしい」みたいな気持ちがある人が多いように思った。


花屋で働いていたときの、さまざまなお客さん

花屋に来るお客さんには、様々な人がいた。老若男女さまざまなお客さんたち。花屋で買った花は人に贈られたり、そのお客さんの自宅に飾られたりする。

用途を伺って、プレゼント用ならきれいに色紙とフィルムで包んでリボンを結んだり、自宅用だったら簡素にお店の包装紙で包んで渡したりする。でも、こと誰かに贈るための花を買いに来たお客さんは、特にさまざまな人がいた。

女性はほとんど気軽な感じで来てくれるお客さんが多かったが、男性は主に以下の2パターンに分かれることが多かった。


花を贈り慣れている男性のお客さん

「今日妻の誕生日で、妻はピンクが好きなので、ピンク系の花束をお願いします」

と、手慣れた様子で注文をしてくれたお客さん。きっと毎年贈っているんだろうな。結婚してどれくらいなんだろう、お子さんもいるのかな。奥様はきっと喜ぶだろうな、結婚っていいなあ…と、あれこれ妄想しながら精一杯気持ちを込めてかわいらしい丸い花束を作って渡した。お客さんはありがとうございます、と落ち着いた様子でお礼を言ってくれた。

そのお客さんは、クールな様子でお支払いを済ませ、花束を片手に颯爽と歩いていった。

恥ずかしそうな若い男性のお客さん

「花を贈りたいんですけど…何を選べばいいのか、花も分からないし、何かオススメってありますか?」

恥ずかしそうにもじもじしながら、それでも勇気を出してこの花屋に来て、店員のわたしに声をかけたんだろうな、という若い男性のお客さん。「男性用ですか?女性用ですか?」と、少しずつ用途を聞いていくと、女性に渡すのではなく、男性の退職祝いだったりした。それでもすごく恥ずかしそうだった。季節の花をオススメして見てもらったり、「女性用ならピンク系が多いんですけど、男性用だったら黄色系なんかだといいかもしれませんね」なんて話すと、だんだんお客さんも落ち着いてきて、希望を伝えてくれるようになる。

そしてお会計ののち、「すいません、花束が隠れるような袋ありますか?」と言われ、不透明のビニール袋に花束を入れると、それを受け取って素早くお店を去っていった。


前者の手慣れている男性と、後者のまだぎこちない感じの男性。スマートさに違いはあっても、どちらも素敵だな、と思った。花を贈りたい、その気持ちで花屋に訪れてくれたのだから。


生花は悪くなってしまうけれど

わたしの働いていた花屋ではプリザーブドフラワーという、生花を特殊加工して長く持つようにしている商品も置いていた。半永久的に美しさが保てるとメーカーはうたっていて、少なくとも2〜3年は色も褪せずに持つそうだ。

お客さんの中には、「生花はすぐダメになっちゃうし、お手入れも大変だし、これがいいわ」といってプリザーブドフラワーを買っていく人も多い。花に手をかけられない人も多いし、色々なライフスタイルがあるから、選択肢があるのはとてもいいことだと思う。

でも、わたしは生花と過ごす時間も、悪くないと思う。

生花は確かに手間がかかる。水も毎日取り替えたほうがいいし、水揚げ(水の吸い上げ)が悪くなったら切り詰めていったり、悪くなってしまった花があったら取り除いたりしなければいけない。

そんな生花だからこそ、一緒に過ごしていると「時間の経過」を強く感じる。「あのとき、お祝いでこのお花をもらってからもう1週間も経ったんだなあ」なんて思うと、しみじみする。生花は悪くなってしまい、やがて腐って枯れてしまうので、最後は寂しい気持ちにもなる。

だからこそ、「このお花がきれいなうちに、部屋を掃除しようかな」とか「写真を撮っておこうかな」なんて思うかもしれない。家の玄関で花が出迎えてくれたり、リビングなどで花と一緒に過ごす時間を特別に感じるかもしれない。

どんな日に贈っても素敵なのが、花

6月は父の日がある。今年は18日だ。お父さんへのプレゼントに、生花を添えてみるのも素敵だと思う。花屋も、母の日ほど大がかりではないけど、父の日用の準備をしてお客さんを待っている。

メインのネクタイやシャツ…色々なプレゼントに小さなブーケを添えたり(小さなものだと数百円から買えたりする)、一輪何か気になったものを選んだり、花屋の店員さんに相談して選んでもらうのもいいかもしれない。

わたしの友達が、自分の誕生日に両親へ花束を贈ることを続けている子がいて、ご両親への感謝の気持ちが素敵だな、と思ったりもした。

でも、なんでもない日に花を贈ってもいいのだと思う。少し恥ずかしいかもしれないけれど、周囲の人に、「いつもありがとう」とか、そんな言葉を添えるのも素敵だ。小さなブーケや一輪ならコップにも生けられるし、アレンジメントなら花瓶がなくても花を飾れる。

もちろん、自分に向けて贈ってもいいのだ。花屋を通りがかって、気になる花を買ってみたら、少し毎日が楽しくなるかもしれない。帰ってきてホッとするかもしれない。部屋が明るくなるかもしれない。

誰かにも自分にも、花を贈ることをおすすめしたい。日常が少し華やかになる、それはとても素敵なことだから。



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Minako Masubuchi / Artist

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Minako Masubuchi / Artist

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