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カミングアウトを、贈りもののように

わたしは双極性障害Ⅱ型という精神疾患を持っている。(診断済み・障害者手帳持ち)

簡単に説明すると、気分や体調の上がり下がりが健康な人より激しく、波のように上下する病気だ。生活に支障が出るので、コントロールのため、毎食後に処方された薬を飲んでいる。

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※詳しく知りたいと思ってくれた方は、以下に詳しい記事があります(^ω^)soarというメディアで編集していただき、コラムを書きました!

「双極性障害Ⅱ型」って知ってる?躁うつが激しい病気とともに仕事して暮らすイラストレーター・ますぶちみなこさんが伝える、自分に無理のない生き方

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双極性障害Ⅱ型は精神疾患なので、目には見えない。鬱のときは寝込んでいたり、軽躁のときはテンションが高かったりするが、「そういう人なのかな?」と思われがちだ。(わたしもずっと、鬱のときは困っていたが、軽躁のときも症状なのだとは気づかなかったのでなかなかこの診断に至らなかった)でも健康な人のように生活したり仕事をするのが難しいのが現実だ。

そこで、スムーズに自分も周囲も過ごすため、カミングアウトすることが必要になってくるとわたしは考えた。

身近な人たちにはすぐに言った。家族や友達はわたしのことをとてもよく分かってくれているので、病名と簡単な症状の説明をすると「やっぱりね〜」と、病気のことは知らなくてもすぐに理解してくれた。「やっぱりあの上がり下がりは病気だったんだね」とも言われた。

SNSで繋がっている人たちにも、バレていたと思う。何しろこの病気のことを知るきっかけが、SNS繋がりの友達によるアドバイスだったからだ。素が出やすい・本音が出やすいSNSだからこそ、気付いてもらえることもあるだろう。本当にありがたかった。治療をしていること、診断を受けたことなどを、少しずつSNSに書くようになった。病気に気づかせてもらった友達にも、直接報告して感謝の気持ちを伝えた。

今は積極的に病気のことを話しているので、「こういう病気を持っているんです」ということを知ってもらった前提で人と会ったり、コラムやツイートを読んでもらってから人間関係を作っていくことが多い。「わたしも同じ病気かもしれない」という人を紹介されて相談に乗る機会もあった。

フリーランスになってからは、事前に知ってもらってからお仕事をお願いしてもらえるよう、ポートフォリオサイトに明記している。その上で声をかけていただけると、双方とても安心してお仕事ができると思っている。

精神疾患持ちとしての人間関係は、とても重要だ。中には偏見を持っていたり、自分を攻撃してきたりする人がいるかもしれない。どう頑張っても分かり合えない人もいるだろう。それは健康な人でも同じだと思うが、わたしは特に人間関係によるストレスで症状が悪化しやすい。

より良い環境をつくりたい、そう思ったとき、カミングアウトはフィルターのような役割をしてくれると気づいた。

偏見を持った人と最初から関係を作らないことで、消耗しないという手だ。偏見を自分の中に作ってしまった人にも色々事情はあるのかもしれないが、わたしにも精神的肉体的な余裕がないことが多い。無理な人間関係は摩擦を生む。そして症状を悪化させたり、相手に余計な負荷をかけるだろう。

このようにわたしは、身近な人・SNS繋がりの人対象では、「カミングアウトは怖い」という気持ちより、自分が何者なのか伝えたい、どうしたらもっとスムーズに人間関係を築けるかという思いの方が強かった。自分の状態をこじらせて、これ以上人に迷惑をかける方がつらいと思ったからだ。

だが、現実世界でのカミングアウトは難しいなと、何度も悩み迷ってきた。

会社で働いていた頃は、面接で受かるように説明出来る自信がなく、隠して入社し、病状によって出勤がまばらになってしまい、たくさん迷惑をかけた。業務委託契約では、容赦なく切られた。理由を説明せず、「問題なく働ける人」として入社し、規定の業務量をこなせなかったのだから当たり前だ。

診断前は自分のことが分からなかった。診断後も説明する勇気がなかったり、説明するだけの自覚がなかった。今振り返るとそう思う。

わたしと働いてくれた人たちの反応は、さまざまだった。まだ働かせてもらっているうちに勇気を出してメールでカミングアウトしたら「あなたの病気は、病名こそ初めて聞いたけれど、みんな分かっています。バリバリやるときと来れないときの差が激しいから」と返信をもらって複雑だった。契約を終わりにしましょうという連絡があってから泣きながら病気のことを話したら「なんか大変みたいだね」と他人事みたいなこと(にわたしは感じられた)(もう一緒に働かないのだから当たり前かもしれない)を言われたこともある。わたしのような精神障害者を知らずに雇用した経験から、「今後は募集要項に”心身共に健康な人”と入れようと思うんだ」と言われて正直傷ついたり、わたしのせいで偏見を生んでしまったことに申し訳なさを感じたこともある。どれも苦い思い出だ。たくさんの人に迷惑をかけた。

もちろん言って良かった思い出もある。「実は持病のことでお伝えしておきたいことがあって」と、チームのリーダーをランチに誘い、病気についてどきどきしながら話した。取締役や、社長にも伝えてもいいんじゃないか、と背中を押してくれたし、「ますぶちさんにストレスかけないでねー!笑」と、わたしがきつそうなときはメンバーからさりげなく助けてくれた。関わりの多い人には少しずつ伝えた。SNSに書いておいて、気になった人には見てもらえるようにしておいたりもした。

カミングアウトに関して、わたしはこれまで書いた通り、最初は「勇気を出して相手にボールをぶつける」というイメージで伝えていたように思う。

でも、カミングアウトも、コミュニケーションのひとつだと思うようになった。伝えるのも、受け止めるのも、問題は深刻だったりするが、人と人とのやりとりだ。

「自分はこういう人なんです」「こういう特徴(症状)があります」「こういうときはこうして欲しいです」といった感じで、自分のことを分かってもらいたい!仲良くしていきたい!と、相手に伝える。それは恋心を伝える告白にも似ているかもしれない。

だから、現実世界でも、カミングアウトすることがわたしは怖くなくなった。時には理解してもらえないこともあるかもしれない。でも相手のことが好きだったら、対話を重ねてみてもいいだろう。付き合い方を変えてみてもいいだろう。道はたくさんある。「なんであの人はこうなのかな?」と思われているかもしれないと、疑心暗鬼になるより、ずっと心が健康でいられる。もちろん落ち込むこともあるだろう。でもそれならそこまでの縁だ。

カミングアウトを、贈り物のように。受け取る人のことを考えながら伝え方や言葉を選ぶのは、プレゼントを選ぶことに少し似ている。あの人は青いリボンがいいかな、黄色がいいかな、と、相手のことを考えてドキドキしながら選んで、そっと渡す。「あのね、」って。

そんな風に自分のことも伝えられたら、それはとってもステキなんじゃないだろうか。


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カミングアウトを、贈りもののように

Minako Masubuchi / Artist

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Minako Masubuchi / Artist

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