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アルルの部屋に枕を2つ置くからさ

生きることは、どこまでも吸い込まれる宇宙みたいだ。心身はコントロールできないし、この先何があるかもわからなくて怖い。

睡眠のためには良くないと分かっていながらも、眠れない夜は枕元のスマホにそんな不安を吐き出す。

気づけば36歳になるまであと半年ちょっと。最近、どんな40代を目指そうかと考えている。英語とフランス語をもっとやりたいな、あとは…。

この先どんな自分になりたいかを妄想する。ゴーギャンとの暮らしを待ちわびながらゴッホが「アルルの部屋」を描くみたいに。

幼い頃も早く大人になりたかった。子どもは不自由でもどかしかったから。でもわたしが年齢を重ねるにつれ周囲の大人たちが死に近づくことが怖くて、どうしたら時間を止められるか必死に考えたけれど思いつかなかった。20歳になっても憂鬱だったし、抑圧が噴出するように手のつけられない日々は崖から転落するようだった。

今年の夏頃、やっと社会との関わり方を変えはじめた。肩書きをアーティストにして、自分がどうしたいのかを考える。既製の社会にハマることができないなら、自分で自分の世界を作るしかない。誰かや何かに変えてもらうことはできないと、やっとわかったから。

ゴッホが描いた「アルルの部屋」は3枚ある。一緒に暮らして刺激しあえる画家が欲しかったゴッホの誘いをただひとり承諾してくれたゴーギャン。共同生活はすぐに終わってしまったけれど、その後に2枚目を描いている。ゴッホはあの世界を作り直したかったんだろう。1枚目を描いていたときのあの高揚感に浸ることができて、一緒にいられなくても幸せだったんじゃないかと思う。

わたしの「アルルの部屋」はどんな風にしようか。壁に掛ける絵は何枚描けるだろうか。ゴッホはひまわりだけど、わたしは何がいいかな。枕を2つ置くから、スマホのことを忘れて眠りたい。またうちの猫が邪魔してくるだろうけど、わたしの子どもだと思って許してね。


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Artist, JPN よくしゃべる芸術家です。生きづらい民。趣味は外国語と歌です https://instagram.com/minakomasubuchi_jpn
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