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見え方が変われば気持ちも変わる。母の小さなアイディア

小学生のときに、漢字の書き取り練習をするのがきらいだった。

当時から同じことを繰り返しやるのが苦手だったわたしは、決められた漢字や熟語をノートのマスいっぱいに埋めることが苦痛でしかなかった。渋々とりかかるも、すぐに集中力が切れ、やりたくないよう〜と泣き言を言うのがいつものわたしのパターン。

あるとき、そんなわたしを見るに見かねて、母はある行動に出た。真っ白のコピー用紙を持ってきて、その紙でわたしの書き取りノートを半分ほど隠す、という謎の行動。

わたしは意味が分からず頭の中にハテナマークを浮かべていた。母は楽しそうに少し笑って、こんな風に話してくれた。

「この広いページをいっぱいに埋めないといけないと思うからヤル気が出ないんでしょ。だったら少なく見えるように紙で隠しちゃえばいいじゃない」

思いつかなかったアイディアに目からウロコが落ちつつも、驚きのあまりわたしは母に質問した。

「でも、どうせ全部やらないといけないんだし、一緒じゃないの?」

「最終的には全部やらなきゃいけなくても、一気にやる必要はないでしょ。半分やって、また半分やるっていうやり方の方が気が楽なんじゃない?」

母のこの小さなアイディアで、わたしは書き取りが少し楽しくなった…かどうかは昔すぎて覚えていないけれど、少なくともイヤではなくなった気がする。そうしてこのとき、ものごとの感じ方は見え方によって大きく左右されるものなんだと知った。

・・・

思えばわたしは小学生の頃から変に真面目で完璧主義だったのだろう。母はそんなわたしが勉強に苦しんでいると、いつもちょっとユーモアのあるアイディアをくれた。

おかげでわたしは「わたしはこの教科が嫌いだ」とか「わたしはヤル気がないんだ」などと強く思い込まずに済んだ。

でも、そんな母が得意なのは数学で、逆に数学が苦手なわたしは教えてもらおうとしたけれど難しかった。母の説明が「数学のできる人」のものだったので、基礎からつまづいていたわたしにはサッパリ意味が分からなかった。これが「自分のできてしまうことを人に教えるのは難しい」というやつなのだろう。だから、数学は本当に苦労した。

・・・

それでも、物事の見え方が変われば気持ちも変わる。

昨日は長々と生活の工夫の記事を書いたけれど、もちろんあれが必ずしも正解でもないし、全ての人に当てはまる方法ではないと思う。ただわたしが日常的にSlackを使うことが多かったから、そこで完結させるのがわたしには合っていそうだというだけのことだ。

何かうまくいかないとか、もっと良くしたいと思ったときに、思い通りにいかない自分を責める気持ちになってしまうことがある。わたしもしょっちゅうなのだけど、そんなときにほんのちょっとした工夫をするだけでうまくいきやすくなるということは、できるだけいつも頭の隅に覚えておきたいと思う。

母が書き取りノートに白い紙を被せたようなおちゃめな工夫で、気持ちが変わったあのときみたいに生活していきたい。

🐱🐱🐱

昨日の記事はこちら!たくさん反応をいただけて嬉しかったです。ありがとうございました!何かお役に立てたら幸いです〜

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人生を生き直す長い旅をしています。お返しは何もできないかもしれませんが、旅のおともにいただけたらとてもありがたいです。

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Minako Masubuchi / Artist

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