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自信家な君からしか、きっと響かなかった

LINEの未読を開くと思わぬ長文に驚いた。普段は最低限の文章しか書かない友達が、わたしを含むグループLINEで、わたしに宛てて長い言葉をかけてくれた。「驚いてスクショ撮ったわw」なんて言って撮ったスクリーンショットの日付はもう7年前だ。

その頃からわたしは深く悩む日々を送っていた。恋愛はうまく行かないし、仕事は続かない。些細なことに落ち込んでは、実家の部屋で落ち込むばかり。だけど、その長文を送ってくれた友達はそんなわたしを肯定してくれた。

「高い何かを目指してると特に感情がアップダウンする気がするよ。もっとやりたいことがあるように見えるし、調子が悪いのは自分と向き合えてる証拠なんじゃない?」

そんなこと考えたこともなかった。わたしはただ目の前のことに必死で、目の前のことをただやることができない自分に落胆しているばかりだったからだ。長文で励ましてくれた友達は、いつもたくさんの人に好かれ、何の苦労もなく人生を送っているように見えた。笑顔が印象的なその人が、わたしの悩みに共感すると言ってくれて、本当に驚いた。

その友達は最初にわたしを一目見た時から「頭のネジがかなり外れてるな」と思ったらしいと後に聞いた。わたしはごく普通に接したつもりだったので理由を聞くと、「フレンドリーでありつつもチャレンジ精神が旺盛で底が見えない感じがした」なんて言っていた。未だに意味はよく分からない。


いつも笑顔でよく笑い、能力に溢れたその人に恋愛感情を抱いたこともあったけれど、それは叶わなかった。

それでも、たくさんの人に好かれる人気者なのに、わたしが本当に苦しい時にさっと現れてくれるようなことが何度もあった。

長文LINEを送ってくれるようになった頃からよく色々な話をしたけれど、その友達は基本的に「やってみればなんとかなる」という考え方の人だった。実際、今までやったことがなくてもやってのけてしまう。自信家なのだと思うし、それはその友達が自分自身で積み上げてきたものからできているのだろう。

一方でわたしはいつまでもぐずぐずしていて、よくみんなでの飲み会でどんどん落ち込んでしまい周りに気を使わせたり、SNSに吐き出す言葉は人が離れていくような言葉ばかり。一言で言うと、自信がなかった。自分に信じられるものが何もなかった。

そんな日々の中で、どんなシチュエーションだっただろう。その友達から言われて忘れられない言葉がある。

「自分が信じられないなら、お前が信じる俺を信じろ」

自信がないというのは厄介なもので、励ましてくれる人の言葉まで信じられなかったりする。こんな自分に言ってくれている言葉を信じていいのかわからなくなるのだ。

この言葉だって、最初は戸惑った。「いや君を信じたってわたしは君みたいにはなれないし、わたしはだめだし…」とぐちゃぐちゃ考えた。だけど、だんだんと、どうしてもつらいときのストッパーとして思い出す言葉になっていった。のちに、この言葉はあるアニメの中で出てくる言葉だと知って、「パクリじゃん!」と言った。けれどわたしは確実に救われていて、騙されたーなんて言って二人で笑いあった。


生きるのは苦しい。わたしは気持ちがすぐに極端に上下するし、止める術が見つからないときもある。そんなとき、あの言葉を思い出す。アニメのパクリだとしても、わたしに向けてくれた言葉なのだから大切なのは変わらない。


そして更に、数年前にある約束を交わした。お互い、相手が死ぬまで死なない、という約束だ。もともとは、生きづらいわたしを見守ってほしいという趣旨で言ったら、約束をしてくれた形なのだけど。

思っていないことは言わない性格の君だから、きっと守ってくれると信じている。だからわたしも約束を守って、生き続けようと思うのだ。

思えば君の言葉に救われてばかりで、とてもひとつになんて絞れない。

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Artist, JPN よくしゃべる芸術家です。生きづらい民。趣味は外国語と歌です https://instagram.com/minakomasubuchi_jpn
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