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人間活動っていいな

最近、家事など生活のごく普通のことをすると心が落ち着くというか、「戻ってくる」ような感じがする。

わたしの精神症状がいつも安定しないのもあるけれど、お風呂に入ることも歯磨きをすることもいつもおっくうだったし、家事は本当に身の回りのことすらできない時期もあって、なのに本やYouTubeなどに没頭していることもあった。


今もまさに煮物を作っているので、キッチンの目の前にあるスツールに初めて座ってこのnoteを書いている。他の場所で書いていたら絶対に煮物のことを忘れてしまうと思ったし、音楽も友達に教えてもらったEMINEMを聴きたかったけれど、我慢した。

外は豪雨で雷の音もする。ふと換気をしようとスツールに座ってこれを書きながらキッチンの小窓を開けたら、いつの間にか、室内飼いの愛猫が「外から入ってきた」。雷の音に驚いたらしい。

つまりわたしは、やっぱり今書いていることに夢中になっていて、いつのまにか愛猫が外に出ていたことに気づかなかった。雷が鳴らなかったら愛猫は帰ってこなかったかもしれない。本当に自分にがっかりする。


「人間活動」といった表現をわたしが知ったのは宇多田ヒカルさんだった。活動休止の間「人間活動をします」みたいなことを言っていた覚えがある。

彼女の言うところの「人間活動」が実際どういうものだったかは知り得ないけれど、わたしが家事や生活をすることで得られる感覚と、もしかしたら近いのかもしれないな、と思う。

身の回りが整うことは誰しも心地よいものだろうし、それはわたしだってそうだ。だけど、学生時代にガーッと絵の具などの画材や新聞紙、キャンバスを広げて絵を描いていて、部屋が荒れていることを気にする余裕がないときに「身の回りを整える」という選択肢はなかった。そこでもし「片付けなさい」と言われても無理だったと思う。

今まさに取り組んでいることに、社会的な意味があろうとなかろうと、何故か強い使命感を覚えることがある。最近やっていることも全部そうだ。


煮物が音を立てないので、火を少し強くした。よし。


昨日、midiキーボードの一番安いタイプを購入してもらって、知っている曲を適当なコードで(コードがわからないので)弾けるか試していた。時間も遅かったのであまり弾けなかったし、自分の爪音が五月蝿い。ピアノを弾くなら爪は短くしないといけないって知ってたのに。


煮物がグツグツいい始めたので少し菜箸で馴染ませてまた蓋を少しずらしてかぶせた。


midiキーボードである程度の曲なら弾ける、とわかったので、今日はメロディラインを自分で歌って、midiキーボード入力で伴奏を入れたいと思った。菅田将暉さんの「まちがいさがし」は、曲調からもピアノで対応できると思ったけど、無理だった。自分の歌声を聞いていても、鍵盤でどの音を鳴らせばいいかわからない。

そこで、リード以外に3つの音を全部、自分の声で重ねた。Garage Bandの使い方も不慣れなので苦戦し、倒れるように寝た。起きて、もうこれでいこう、せめてPVっぽい映像でも撮ろうとしたら思いがけず愛猫が入り込んできた。(0:33あたりから)

確かお昼過ぎに撮っていたので、愛猫はあまり起きてこない時間帯だ。もう狙っているかのようにわたしの側を通るだけでなく、画面まで覗き込んでいるので笑ってしまう。多分、愛猫が気になったのは、画面のすぐ横にあった飲みかけのお水だったのだけど。

こうやってふと自分の「ありがたい邪魔」をしてくれる存在は、なかなかいない気がする。

そういえば、時々アクリルガッシュで絵を描くとき、愛猫はいつも筆を洗って汚い水を舐めようとするからいつも止めないといけない。なのに、いつもはごろごろと、その時の気分で場所を選んで寝ていたりする。


菅田将暉さんの歌う「まちがいさがし」を途中で聴き直すたびに、ああわたしはこんな風に歌えない、声が良すぎる、と思った。米津玄師さんが作詞・作曲・プロデュースして作った、ドラマ「パーフェクトワールド」の主題歌だ。

「まちがいさがしの まちがいの方に 生まれてきたような 気でいたけど」

この歌い出しから、曲から声から、惹き込まれるように聴いていた。ドラマ「パーフェクトワールド」は松坂桃李さん演じる主人公が、大学生のときに交通事故で体の自由を失い、車椅子生活を余儀なくされる中で生きていくストーリーだ。苦しい表現もたくさんある。

他の人にどう映ったかは分からないし、わたしは精神障害を持っていて身体の不自由さは想像しきれていない。でも共感するところが多々あった。

そして、ドラマに集中しているといつの間にか終盤が来ていて、その週のラストシーンで「まちがいさがし」が静かに流れ始める。わたしはただ泣くだけだった。公式サイトのコピーもたまらなく好きだ。

いつか
このドラマが
ただのありふれた
ラブストーリーに
なりますように


さて、煮物からいい感じの音がしている。これから洗い物も少しやろう。洗濯物はもう少し溜めてからにしようと思うけど、なぜか回したい気分だ。

自分の創作活動が、自分を生かすものでも殺すものでもあると感じる。「人間活動」はそんなわたしを一旦フラットにしてくれるのかもしれない。

次につくるものは、わたしを天国のどこかへ連れていくだろうか。それとも地獄のどこかだろうか。どちらにしても一般的には死ぬってことだけど。


まあ、まず、鍋の火を止めたら、愛猫の水でも換えようかな。

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人生を生き直す長い旅をしています。お返しは何もできないかもしれませんが、旅のおともにいただけたらとてもありがたいです。

きっと生きて会えますように
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Minako Masubuchi / Artist

Artist, JPN / 何が出るかな何が出るかな / 生きづらさの末に精神障害診断 / 4歳くらいからピアノ10年、学生時代は体育と英語が得意、数学ダメだけど証明問題は好き https://instagram.com/minakomasubuchi_jpn
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