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「嫌いなこと」に忠実に生きるーココ・シャネルから学んだこと

タイトルは「ココ・シャネルの言葉」という文庫本の表紙に書いてあった言葉です。「好きなことを大切に生きよう」ということが言われることの方が多い中で、一体どういうことだろうと強い興味を惹かれて、本を読みました。

この本はシャネルが人生の中で口にした、たくさんの言葉が書かれている、いわゆる「名言集」です。「モードではなくスタイルを築き上げた」と自他共に認めるこのファッションデザイナーは、今も大きな支持を集める女性です。「モード」は移り変わるもので「スタイル」は築き上げるものと考えると、改めてものすごいことです。

シャネルは、女性の生き方に大きく革命を起こしました。たとえば今わたしたちが今、当たり前に着ている黒い服は、シャネルが使うまで喪服の色でしかなかったのだそうです。「たくさんの色を使えば使うほど下品になる」と、シャネルははっきりと言葉にして、黒をシックでモードな色に変えていきました。

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「嫌いなこと」とは反対に「好きなこと」って、とても自分を豊かにしてくれる気がするし、心地よくキラキラした感情だと思います。否定的な感情を持つこともよくないとされがちな世界で「嫌い」と示すことはとても難しく感じます。

でもシャネルには「嫌いなものを排除する」という強い精神がありました。男性のためだけにきついコルセットをつけ、派手な装飾のドレスを着ることが当たり前だった女性たちを自由にしたかったのです。

「嫌い」は自由へのエネルギーでした。

自分の生き方に迷った時ときに「何が好きかを考える・リストアップしてみる」ということだけでなく「何が嫌いか考える」ということにも目を向けるといいのかもしれません。好きと同じくらい、もしかしたらもっとはっきりと「嫌い」には理由があって、自分を動かすエネルギーになるかもしれません。「嫌い」は人によって様々だからです。

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ついこの間、断捨離をしました。

これもまた、フランス人のシャネルの本を読んでから、連想して思い出した「フランス人は10着しか服を持たない」を読んだのがきっかけです。

その本の中で、フランスに留学していた著者が、ホストファミリーのマダムに、ある日「その服、似合ってないわね」と言われるというエピソードがあります。著者は傷ついてうろたえ、マダムに落ち着くように言われるのですが「どうしてその服を選んだの?」と聞かれたとき、なぜこの服を着ているかすぐに答えられませんでした。よく考えてみると、確かにいつも着ないタイプの服。それは友人からもらったいいお値段の服だったのだそうです。

「せっかくもらったから」「いい値段がしたから」「思い出の服だから」

そんな風にものを選んでしまうことってすごくたくさんあると思います。著者も、心の奥では違和感をおぼえていた。自分がいかに考えずにものを選んでいたか気付かされます。そうして、自分に似合うもの・心地いいものだけを残すために、似合わない色やラインのものをどんどん処分します。

服に限らないことですが、身につけるものが心地よくないと、その日1日が憂鬱になってしまいます。たった1日でも、限られた人生の中の大切な1日。そう考えると、身の回りのものが人生を作っているといっても過言ではないかもしれません。

そんなエピソードを読んで、わたしも「本当は違和感があって着ていないのに捨てるのが勿体無いと思っていた服」や、買ったものの着こなせなかった服をどんどんクローゼットから外しました。売ったり譲ったりできそうなもの以外は捨てました。

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シャネルのように、誰もが「嫌い」に忠実に生きる必要はないと思います。それでも、「嫌い」「好きではない」ものに囲まれていると、自分の「好き」がボヤけて霞んでいってしまうことは、誰にでもあるのではないでしょうか。

何か好きなものに対して情熱が足りないと思ったとき、必要なのは「嫌いなこと」を自覚することなのかもしれません。

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人生を生き直す長い旅をしています。お返しは何もできないかもしれませんが、旅のおともにいただけたらとてもありがたいです。

きっと生きて会えますように
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Minako Masubuchi / Artist

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