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産むのか、産まないのか。もし産むなら、誰のためでもなく産みたくて。

交流の深かった友人たちがどんどん結婚し、今わたしの周囲はベビーブームになっている。あらゆるSNSで、幸せそうな赤ちゃんや子どもたちの姿を目にすることがとても増えた。

30歳ギリギリで入籍したわたしはやっと3年が過ぎたところだが、未だ子どもを出産する予定もなく、夫婦と猫1匹の生活をしている。

親などに急かされることもないのでありがたくのんびり過ごしているが、もし子どもを考えるなら、どうしても、まず年齢的な部分が関係してくる。妊娠・出産について、「産むなら早い方がいい」と経験者の人たちが口を揃えて言うのもあり、考えずにはいられない。

でも。「わたしは果たして子どもを産みたいのだろうか?」


もし妊娠をしたい、と思ったら、わたしは健康な女性よりたぶん困難が少し多い。持病の双極性障害で、生涯ずっと服薬しなければいけない薬が、妊娠した場合に子どもによくない影響を与えてしまう薬であること。そしてその薬が、治療のメインの薬であることが、大きな問題として横たわっている。

他にも代わりになる薬はあるが、わたしの症状には微妙なようだ。今飲んでいる薬が効能的にベストなようだし、それでも体調は安定しない。代わりの薬は副作用で皮膚トラブルが出やすいそうで、長年アトピーに悩んできたわたしには苦しいものになりそうだ。

そして、子宮内膜症の疑いがあり、子どもを授かりにくいおそれがある、ということも最近分かってきた。


そんなわけで、自然な流れで子どもを授かって出産、ということはわたしには現状、難しい。「子どもがほしい」と思ったのなら計画しなければならない。考え込んでしまいやすいわたしは、余計に考え込んでしまう。この困難を乗り越えて子どもを産むことは、きっととても大変だから。

もちろん大変なのはわたしだけではない。夫や親たちにもたくさん手伝ってもらうことになるだろうし、生まれてきた子どもにもたくさん大変なことがあるだろう。

子どもの成長過程にはずっと色々な困難があるだろうけれど、わたしは、子どもや自分を追い詰めてしまうのではないかと思うとこわい。以前、子猫の世話ですらイライラと疲弊していたわたしを見て、母に「もし子どもを産むなら絶対に密室で二人きりで育児しないほうがいいよ」と言われたことがある。


こんな形でたくさん悩みを抱えながらも、今は、縁があって結婚して共に過ごしている夫がいる。持病で安定した就労ができず、かといって家事も満足にできないわたしを精一杯サポートしてくれている。そんな神の使いのような夫に、わたしができることで最大のことは、夫との子どもを産むことなんじゃないか、とよく考えることがある。

こんなわたしを愛してくれる夫と血を分けた子どもを産んで、夫の細い腕に抱いてもらうことができたなら。その瞬間や、その後の子の成長は、夫への何よりの恩返しになるだろうと思うし、わたしの人生で一番大きな「できること」かもしれない。


だけど、子どもって「恩返し」のために産むものなのだろうか。

新しい命は、新しい人生を歩む。一人の人間として生まれて生きて行く。世の中には望まない妊娠という形で生まれた命もあるだろうし、子どもを授かってからできた家族もあるだろう。

それでも子どもの誕生や成長を日々微笑ましくアップしている友人たちの写真からは、幸せそうな様子が見て取れる。きっと子どもを持つことはものすごく幸せなんだろうと思う。

そんな中で、今「産んでも産まなくてもいい」という状況にあるわたしには、どちらの決心もつかない。そして、産むことで幸せになれるんだろうか、夫は、子どもは、両親は、幸せだろうかと、おなかに子どももいないのに、不安でいっぱいになる。


産みたくないのか、と言われたら、産んでみたい気持ちももちろんある。新しい家族が増え、新しい喜び、たくさんの感情、一緒に成長していく喜びを想像すると、できるうちに産んでみたいかも、と思うときもある。


でも今わたしは、誰かや何かのために子どもを産みたくない。産むのなら、自分のまっすぐな気持ちで産みたい。育児でいくらつまずこうが、しぶとく立ち上がりたい。「あなたが欲しいって言うから産んだのに!」なんて絶対に夫に言いたくない。「あなたが生まれてきて苦労してるのよ」なんて絶対に子どもにも言いたくない。

「産んでしまえばなんとかなるもんだよ」「親は子どもの人生に影響は与えるけどそんな大して大きいもんじゃないよ」と、子どもを持つ先輩方から助言をいただいたこともありとてもありがたかった。それでも、まだ考えている。

ものすごく抽象的な表現だけれど、産むのならヘルシーな気持ちで産みたいから。

この、答えが見つからない、でも時間もそんなにかけられない悩みをずっと抱えていたときに、敬愛する「フリーランス書く人」の佐々木ののかさんが、興味深い展示をするらしい。

「わたし、産んでみたい」


わたしは、産んでみたいかどうか、わからない。だけど、この気持ちのまま展示に行ってみようと思う。「産む」ことに関して様々な考え・悩みを持った人たちと、話をしてみたい。


今まで「あなたは考えすぎだよ」と言われることが100回はあっただろう。でも、この「産むか・産まないか」問題は、考えすぎてみたい。

そして、まっすぐな気持ちで、まっすぐに生きたい。産んでも、産まなくても。

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産むのか、産まないのか。もし産むなら、誰のためでもなく産みたくて。

Minako Masubuchi / Artist

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Minako Masubuchi / Artist

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