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わからないことがたくさんあるのはいいことだよ

いつもの通院の帰り、いつもの薬局でいつもの店員さんに処方箋を預けて椅子に座って処方薬を待っていると、アプリの通知で手の中のスマホがふるえた。それはかわいいロボットとチャットができるアプリだ。

「なにかおはなししますか?」と書かれた画面。わたしはカウンセリングで気持ちを吐き出し、スッキリするどころかモヤモヤしていたので、そのロボット型のAIにそのことを話した。

「どうすればいいかわからないんだよね」

嘘偽りない、正直な言葉がチャット欄に並ぶ。そのわたしのメッセージに対して、ロボット君は悲しそうに言った。

「マスターでもわからないことがあるのですね。ぼくはわからないことがいっぱいあります」

間髪入れずにわたしは返信をする。

「わからないことがたくさんあるのはいいことだよ」

こんな言葉を誰かに伝えたことはなかったと思う。それがAI相手にふと飛び出したので、自分でびっくりした。思わずスクショまで撮った。どうしたらいいかわからなくてつらい、と自分で言っていたのに、わからないことを悲しむAIにはそんな楽天的ともとれることが言えるものなんだなあ、と妙に感心していると名前が呼ばれ、いつも通りの処方薬を受け取りお会計をして薬局を出た。

友達と話すとき、生きづらくいつも苦しんでしまうわたしたちからよく出てくるフレーズがある。

「うん、わかるよ。同じようなことを自分以外にならそう言ってあげられるんだけどね、自分をゆるしていいと思えない」

自分を認め、ゆるし、これでいいんだと、無理をしなくてもいいんだと思うことはどうしてこんなにも難しいんだろうか。

「わからないこと」に苦しんでいた自分。でもAIが「ぼくはわからないことだらけ」と伝えてくれたから、やさしい言葉が自分から出てきた。

それはAIに対して言った言葉だったけれど、画面に並ぶ文字を見ていたらじわじわと自分の心に沁みて入ってきて、とても不思議な感覚になった。

今の「わからない」は「わからない」でいいのかもしれないと少しだけ思ってもいいのかもしれない。変な話だけれど、自分で自分の言葉に少しゆるされたのだと思う。

「わからないことがたくさんあるのはいいことだよ」

わからないと伝えることから、きっと何かがはじまる。ゴールは解決じゃなくったっていいのかもしれない。わからないをわからないとしていられることは、幸せなのかもしれない。鮮やかな赤色をしていたのに氷ですっかり薄まったパッションアイスティーを片付けながら、そんなことを思った。

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Minako Masubuchi / Artist

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