見出し画像

わたしはだれだ

「どうして君はそんなにさびしいって言うの?愛されて育ってきたって言ってるのに」

そんなの分かってるよ、とその人に言い返そうと振り返ると、そこには自分がいた。

とても繊細には見えない体格、アシンメトリーの奇抜な髪型、すわった目、何を言っても動じなさそうで強そうな肩幅。それがわたし。わたしがそこにいた。


昔から、「クールそうだよね」「しっかりしてそうだよね」と言われてきた。だからそういう風に振る舞った。本当はそんなことないのに。だけどしっかり者の方が都合がよかったから仕方なかった。

あまりに弱い中身はなぜか自分の外見と全く合わずに、わたしは自分の中身を疑った。こんな気持ちになるのは本当にわたしなのかと。きっと周囲にもそう思われているに違いないと思い込んでいた。

「なんであんなにこじらせてるの」

だから、「どうして君は」といつも問われているような気持ちでいた。問うていたのは自分自身だったのに。誰も何も言ってない。たぶん周囲の人たちはわたしをそれぞれの形で愛してくれている。

でも、それがわからない。頭でしかわからない。体に入ってこない。胸に入ってこない。胸がスカスカなんだ。胸に手を当ててもノックしても空っぽな音しかしない。わたしの心臓はここに入っていないのかもしれないと馬鹿なことを思う。


どうしてそんなにさびしいのか、問うているのは自分自身だった。自分が、自分のさびしさをわからないだけだった。ただ、それだけ。でもそれが、ものすごく苦しくてでもどうしたらいいのかわからない。

この続きをみるには

この続き:0文字

わたしはだれだ

Minako Masubuchi / Artist

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

人生を生き直す長い旅をしています。お返しは何もできないかもしれませんが、旅のおともにいただけたらとてもありがたいです。

きっと生きて会えますように
7

Minako Masubuchi / Artist

Artist, JPN / Artist, JPN 視覚と音楽や文章、感覚全てを使って日本の生きづらさを突き抜けたい https://instagram.com/minakomasubuchi_jpn
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。