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救われたり捨てられたり

「営業とか苦手そうだよね」

やわらかな口調で、昔からの知り合いの女性に言われた。彼女はたくさんイラストの仕事をくれて、他の人もたくさん紹介してくれた。最後に会ったのは10年以上前だったと思う。「あ!あの子に頼もう!って思って名前で調べたら案の定サイトがあったから」と笑っていた。

その彼女とはよく食事をしたけれど、わたしに対して「ノルマとかが苦手そう」と言っていた。そういう職場や職種にいたことがないのでわからない。けれど、彼女と知り合った学生の頃のわたしの絵を見て「これはちゃんとポートフォリオにして持ち込みしたほうがいい」と言ってくれたのを覚えている。

ノルマというかは分からないけれど、自分の関わる事業の成績が悪く「施策を打ちまくってなんとかしてくれ!」みたいに言われる状況がなぜか多く、通勤のとき2〜3歩歩けば吐き気をもよおしていた時期もあった。


その彼女の支えもあって、イラストレーターの仕事をたくさんすることができた。また関わるかもしれないけれど、ひとつの夢が終わったような気持ちでいる。今からまた仕切り直すことも可能なのだろうけれど、たぶん今は戻らない方がいい。

あたりを見渡すと、一緒に暮らしている夫含め、きちんと「仕事」をしていて、大人として社会を支えている人たちばかりだ。人と比べがちな自分の性格を嫌でも認識しつつも、今まで本当にうまく働けなかった自分に気づく。短距離走ならまだしも、長距離走が本当にできなかった。

実際に走るときもそうだ。すぐ目の前にある目標に向けてダッシュして、ゴールしたら息を切らせながら水分補給をして、また走る。長距離は本当に苦手で、フルマラソンを走ってみたいと数年ひとりで頑張ってみたけれど、走り始めると起こってくる苦しさや不安に負けて、ゴールが見えなくなってきてしまう。

短距離走のように働いたり過ごしたりして、気分が悪くなれば休み、また走れるようになったら走る。そんなことができればいいなと思うけれど、手持ちのカードをどう組み合わせたり強化すればできるものなのか分からない。ここ数日は、あれこれ求人サイトなどを眺めている。今のところ、どこにも自分のいられそうな場所は見つからない。

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きっと生きてまた会えますように
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Artist, JPN よくしゃべる芸術家です。生きづらい民。趣味は外国語と歌です https://instagram.com/minakomasubuchi_jpn
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